薬ダイエット人体実験第4弾。オルリファスト(現在は中止)、グルコバイ(中止)、メトホルミンに続き糖尿病治療薬であるSGLT2阻害薬を購入しました。SGLT2阻害薬と言ってもいろいろな種類の薬がありますが、私はジャディアンス(エンパグリフロジン)という薬を飲んでいます。
SGLT2阻害薬は糖を尿と一緒に強制的に排出する薬であり、その分吸収されるカロリーをカットできるというわけです。もちろん、ダイエット目的で服用するのは正しい利用方法ではないので注意が必要ですが、大した副作用もなく今のところ1年以上継続できています。
自分の経験もある程度蓄積できたと思うので、飲む際に気を付けていることや参考にしたことなどをここにまとめておくこととします。
SGLT2阻害薬(ジャディアンス)の効果
下記の効果は糖尿病患者を対象にしたものであり、疾患の無い人が服用した場合の効果と異なる可能性がありますのでご注意ください。
糖質の再吸収を阻害(糖質を尿から排出)
SGLTは細胞表面にある膜タンパク質で、正式命を「Na+/グルコース共輸送担体(Sodium GLucose coTransporter)」といいます。その役割は、ナトリウムの濃度勾配を駆動力として、ブドウ糖を細胞内へ輸送することです。SGLTには異なる部位で働く2つのタイプが知られ、そのうちの一つSGLT2は腎臓の近位尿細管でのブドウ糖再吸収にかかわっています。
この薬は、そのSGLT2を選択的に阻害します。すると、近位尿細管でのブドウ糖の再吸収が抑制され、多くの糖分が尿中へ排出されます。その結果として血糖値が低下するわけです。
SGLT2阻害薬はその名のとおり、SGLT2の働きを阻害する薬剤です。SGLT2の働きを阻害すると、近位尿細管でのグルコース再吸収が減り、その分だけ尿糖の排泄が増えます。その結果、高血糖が改善されます。
腎臓の近位尿細管は血液中の必要なものを細胞に取り込み、不要なものを排出する役割を担っています。その際にブドウ糖(グルコース)はSGLT(SGLT1・SGLT2)により糖質が細胞内に取り込まれます。このとき取り込まれるブドウ糖のうち9割はSGLT2、1割はSGLT1の働きによるものとのこと。
SGLT2阻害薬であるジャディアンスを飲むことにより、ブドウ糖の吸収が阻害され尿と一緒に体外に排出されます。ここで気になるのはどの程度の量が排出されるのかという点ですが、ジャディアンスの医薬品インタビューフォームに参考になる資料が記載されていました。
これは糖尿病患者を対象にしたジャディアンス服用時のグルコース排泄量のグラフです。例えばジャディアンス10mgを服用した1日目には86.8gのブドウ糖が体外に排出されたということを示しています。血糖に異常の無い人がジャディアンスを服用して同じ効果が得られるとは限りませんが、ある程度の効果は期待できるのではないでしょうか。
体重減少・血糖値低下・血圧低下・脂質改善効果
SGLT2阻害薬のメリット
インスリン分泌に依存しない作用機序のため、低血糖の心配が少ない
体重減少効果
血圧低下
脂質改善(LDLコレステロール、HDLコレステロール、トリグリセリド)
体内の糖を排出してくれるわけですから、ジャディアンスを飲むことにより血糖値は低下し、また、吸収されるカロリーをカットできます。保険外診療ではありますが、ダイエット治療としてジャディアンスの処方を行っているクリニックもあるようです。
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仮に、ジャディアンス服用により1日に50gのブドウ糖が排出されるとすると200kcalのエネルギーを捨てることになります。1か月続けると6,000kcal!脂肪1kgが7,200kcalであることを考えると、単純計算で1か月に約0.8kgの脂肪が減るということに。
しかし、1年以上続けた私の体重が10kgほど減っているかというと、そうはなっていないので過度の期待は禁物です。ただし、暴飲暴食を繰り返しても体重の増加は抑えられている実感はあります。
ジャディアンス服用の注意点
糖尿病でない人がメトホルミンを服用するのは適正な使用方法ではないということを念頭に、上記の効果を期待して服用する場合には副作用等を把握しておく必要があります。
次に、注意すべきポイントを挙げてみます。①浸透圧利尿での脱水注意 ②尿路・性器感染症(特に女性)③栄養状態不良、痩せ症例は当面使用しない ④高齢者ではサルコペニア助長に注意 ⑤70歳以上の高齢者は原則適応外 ⑥糖質制限食施行者へは要注意喚起 ⑦併用薬剤によっては低血糖増加が予測される ⑧血中・尿中ケトン体陽性の解釈 ⑨脳血管疾患既往者は個別に検討 ⑩血糖改善は腎保護ながら中等症以上の腎障害例は効きが悪く、長期の影響は未知数。
第14回 SGLT2阻害薬(2) | 糖尿病治療薬の特徴と服薬指導のポイント | 糖尿病情報スクランブル | 糖尿病リソースガイド
気をつけるべきなのは、利尿作用により尿量が増えることと、尿糖により尿路・性器感染症リスクが高まるという点です。まず、利尿作用については脱水のリスクが高まるので、こまめな水分補給を行う必要があります。尿路・性器感染症については、日頃から清潔に保つことが重要になると思われます。
私の場合、たしかに尿量が増えたという実感はありますが、日常生活において全く問題はありません。感染症についても今のところ問題は無いようです。
余談ですが、この薬を飲むと糖尿病を疑われるレベルの尿糖が出ますので、尿検査を行う際には飲まないようにしましょう。私は健康診断前の4~5日は飲まないようにしています。ダイエット目的でジャディアンスを飲んでいますと言おうものなら間違いなく怒られると思いますので…。
ジャディアンスの用法用量
通常、成人にはエンパグリフロジンとして10mgを1日1回朝食前又は朝食後に経口投与する。なお、効果不十分な場合には、経過を十分に観察しながら25mg1日1回に増量することができる。
私は朝に12.5mg(25mg錠の半分※後述)を服用しています。先ほど挙げたグラフによると、服用量を増やしたとしてもブドウ糖排出量はそこまで増えないことから、それ以上の量は飲んでいません。
ちなみに、夜に服用してしまうと尿量増加により眠りが浅くなるので注意。
ジャディアンスの購入について
現在のところジャディアンスは以下のお店が最も安いと思われます。
1錠に有効成分であるエンパグリフロジンが25mg含まれており1箱あたり30錠入っています。1箱のみ購入の場合は5,980円、7箱まとめて買う場合には1箱あたり3,626円で購入することができます。
私は1日に0.5錠を服用しているので1日あたりのコストは60円。メトホルミンと比較するとかなり高いですが、糖質そのものをそのまま排出するという効果は魅力的なのでこれは仕方ないですね。
なお、ジャディアンスは爪を立てて簡単に割れるのでピルカッターは必要ないと思います。
現在はメトホルミンとジャディアンスを併用中
記事冒頭でも触れたとおり、これまでにいくつかの薬を試してきました。メリットと副作用を勘案した結果、オルリファストとグルコバイは使用を中止し、現在はメトホルミンとジャディアンス、2つの薬の服用をしています。
糖尿病薬を併用した場合には低血糖のリスクが高まりますが、今のところ大した問題は起こっていません。今後も体調に注意しながら服用を続けていこうと思います。
コメント
こんにちは
私もメトホルミンとSGLT2阻害薬をダイエットと健康維持目的で服用しております。
いままではオオサカ堂でフォシーガを購入してましたが、こちらのサイトでコスパの高いジャディアンスを知り、お礼がてらコメントさせて頂きます。
私の場合、服用3ヶ月で3キロ程度体重が落ち、その後は減少が穏やかになり半年がたちました。
飲み始めは少し体が怠い、疲れやすいような感じもしましたが、今は好調です。
お酒もよく飲むので、Lシステインも合わせて服用しています。
過去に遺伝子検査をしたことがあり、心疾患、高血圧の遺伝子を持っているようで、こちらの予防にも期待しております。
非糖尿病患者の服薬について否定的な情報が多い中、KUMALOGさんにはとても勇気づけられました。
その後の展開などありましたら、発信していただけることを楽しみにしております。